不器用な天使

ぼくらの鼓動は全てをぬりかえてく

アイドルであり続けること、幕を下ろすこと

(2015.11.25 投稿)

昨日のできごとを受けて。大変ショックを受けたのと同時に、アイドル*1の在り方ってなんだろうなと考えてしまいました。

暗く重苦しい話を長々と書き連ねているだけなので、そんなの無理無理!と思う方は、そっとブラウザを閉じてくださいませ…

 

J事務所(に限らずですが)のタレントは、優れた実力はもちろん、チャンスが巡ってくる運の良さ、好機を逃さない勝負強さなど、本人のたゆまぬ努力のもとに培われた様々な要素が合わさった結果、デビューという狭き門をくぐり抜けることができるのだと思っています。

ですが、その栄光の舞台は、数多くのJrが叶えられなかった夢の山の上にあるのではないか。そこに登りつめ、舞台に上がる権利が与えられた以上は、頂上で輝き続けることが使命なのではないか、と。どうしてもそう考えてしまうのです。

 

今回の件、はっきりした理由は明示されていません。個人的には、例えば、アイドル活動を続けられない致命的な大病を患ってしまった等の、のっぴきならない理由が裏にあれば、少しは溜飲が下がるのかなと思っています。でも他の3人が何度も説得したけど溝を埋められず…という話を聞く限りは、そうではない理由を思い浮かべてしまい、なぜ脱退という道を選んでしまったんだろうとなんともやるせない思いでいっぱいです。

多かれ少なかれ『擬似恋愛の対象になる虚像』を通して夢を売るこの職業は、そういった意味での「普通の幸せ」をある程度は諦めなければいけないものだと思っています。アイドルとしての市場価値を下げずに活動するポテンシャルを発揮できる見込みがあるか、男女問わず多くの世代から支持を得ておりアイドルの枠を超えた活躍ができるレベルに達しているか、のどちらかを満たしていなければ、「普通の幸せ」を得たことによるハンデキャップを乗り越えるのは難しいかな…と。

アイドルとしてデビューし、夢を叶え、たくさんの賞賛を浴びることは、ひとりの人間としての「普通の幸せ」と引き換えなのかもしれません。それこそ人生をすべて捧げるくらいの覚悟で活動している人もいるように。

 

応援しているアイドルがデビューにたどり着いた時。多くのファンが常に怯えているであろう「いつの間にかいなくなって、いきなり名前が消され、初めからいなかった事にされる」という、Jr時代の恐怖から解放されることだと思います。デビュー後の『自発的な』脱退、さらに退所、というのは、安全だと思っていた場所から絶望のどん底に叩き落とされるようであまりに辛辣です…

一般の会社員であれば、所属していたチーム・部署から抜け会社を辞めても、同じような能力を持った誰かを代わりに充てがうことが可能です。でもアイドルはそうはいかない。その存在自体が商売道具で、唯一無二であり、他の人では代替できない。

高慢な考えかもしれませんが、アイドルを応援するということは「アイドルである○○くん」が今生み出してくれるものに対して対価を払い、また、これから先の活動に期待を込めて投資する事だと思っているので、その人自身の意志を持って突然未来を閉ざしてしまう事は何より悲しいし閉口してしまいます。

「ひとりの人間としての○○くん」に対しては、彼の人生だから仕方ないな応援するよ今までありがとうと思える日が来たとしても。希望の象徴である「アイドルの○○くん」が消え去ってしまったという胸をえぐるような喪失感は、癒えるのにとても時間がかかり、やがては古傷のようにじくじく痛み続けるものになってもおかしくないと思います。

 

アイドルという虚像を形造っているのは、私達と同じ世界に生きている人間であり、虚像と実像を完全に切り離すことは不可能です。人間ですから、長く活動を続けていく中で思いが変化してしまうこともあるでしょう。

私自身、アイドルなら斯くあるべきと主張する一方、これが自分の人生であるという明確な意志を持って終止符を打たれてしまうと、正直、何も言えなくなってしまうなと、なんとも形容しがたい気持ちです…

 

せめて、今回のような進退に関わる重大なお知らせを世間に告知するのは、まず一番にファンクラブ会員であってほしいな…と。そして、他の出演者が大勢いるテレビ番組でも、一部のファンしか見ることのできないコンサート会場での発表でもなく、ファンに向けて極力公平に通知するような方法をとってほしいです。それが、今まで応援してきたファンに対して果たすべき最低限の義理ではないのかなと思います。*2

 

以前、トキオの番組にWESTが出演した際、グループ活動を続けていくことの難しさについて熱く語っていたのを、昨日の発表の後に思い出していました。

以下、番組内での発言を抜粋したものです。(※WEST側の相槌は省略しています)

城島:でもずーっとやってくと色々なことがあると思うわ

長瀬:色々あったよそりゃ…20年だからね

国分:方向性もみんな変わってきちゃうし、そこはこう…5人で話しあったりとかして。まあその…一番簡単な、解散という事を選ばなかったというね

松岡:ヒビは入るのよ、絶対。だってみんな他人だから。 ヒビは入るけど、そのヒビを埋める作業が大変。 もうバラしちゃったら戻んないから。ヒビは入っていいの。

山口:言っとくけど、解散の方が簡単なんだぜ。

松岡:そりゃそうだよ

山口:続ける事の方が難しいんだから。 1人抜けちゃう方が簡単なんだもん。

松岡:そうだよ今偉そうに言ってるけど、 半分自分たちに言い聞かせてるからね、俺たち(笑)

山口:ぽっと誰か今年いなくなるかもしれないという思いでやってればいいんじゃない?

松岡:そうだよ

長瀬:ホントそうだよ

国分:まあ色々あるだろうね

長瀬:あるよ絶対あるよ

 

表には見えない所で数々の危機や困難を乗り越えてきたであろうデビュー組のアイドルのみなさん、今まさにデビューの夢をつかもうと頑張っているJrの子たち。彼らには、アイドルであり続けていてくれることに改めて感謝すると同時に、チャンスを掴んだならば、アイドルとしての矜持を持ち、輝き続ける道を歩んで欲しい、と。そう願ってやみません。

*1:ここではJ事務所に所属するタレントの事を指しています

*2:お知らせの類が全く違うので引き合いに出すべきではないかもしれませんが、太一くんが結婚した際、ファンクラブ会員あてに郵便で報告したという事はとても真摯で好印象でした